10/31(水)、張副社長のインタビューの一部が朝日新聞(全国版夕刊)に掲載されたのに続き、
第二弾!として、インタビュー記事全てが「朝日新聞電子版」にアップされました。「買ってよ、TV番組」(輸出最前線)と称された特集記事の第二回「文化の波及狙う中韓」で、CCTV が海外展開に熱心なこと、などが紹介されています。
内容は下記をご覧ください。
中国はコンテンツバブルの様相〈買ってよTV番組〉
CCTV大富/張煥琦(ちょう・かんき)副社長
Q:経済成長が続く中国では、テレビ番組をとりまく環境も変化していますか
A: 「テレビコンテンツは驚くほど伸びている産業です。テレビを見るということは国民の生活をレベルアップさせる上で大きな柱だと考えられています。最も大きい国営中国中央テレビ(CCTV)だけで総合、経済、ドラマ、ドキュメンタリー、スポーツなど20チャンネル。このほかに北京や上海、天津といった国営の地方局がそれぞれ10チャンネルは持っているので、一般的な家庭で50~60チャンネルが普通に見られています。私がCCTVにいた約20年前は1局1チャンネルだったんですよ。中国全土では3千
以上のチャンネルがあるので、これを埋めるだけでも、ものすごい数のコンテンツが必要なんです。制作量が増え、バブルといってもいい状況です。制作会社も数万社あるのは間違いない。競争も激しいです」
Q:日本でも中国ドラマが見られるようになってきました
A:「政府は2010年、年間のドラマ生産量が1万5千話で世界一になったと発表しました。でもこれは放送された分だけで、実際の生産量の2割に過ぎないとも言われています。放送されないままのものも多いのです。人気俳優ならば、ドラマ1話で数十万元の出演料が当たり前。20年前なら全予算に相当する額ですよ。連続ドラマは最低でも30話はありますから、1作出演すると数億円という世界です」
Q:政府が海外展開に力を入れているとか
A:「海外で中国のことを知ってもらうためには、報道よりもエンターテインメントが有効であるということです。制作会社にしてみれば、国内は競争が激しいので、海外に市場を求めるわけです。テレビ局は今お金に困っていないので、国内競争に勝つためのよりよいコンテンツを求め、海外のプロダクションと組んだ国際共同制作に積極的にもなります」
Q:質は上がっていますか
A:「良いものは結構出てきています。中国は例えば歴史ものは海外で強いですよね。歴史が長く人口も多い。やはり世界で勝負できるネタというのは、民族が本来持っているものなのではないでしょうか。これからもっと世界に出て行けるコンテンツが出てくると思います。英BBCや米ディスカバリーチャンネルも中国に注目しています。CCTVと組めば、中国でいろいろな取材ができるし、コストも半分で済みますからね」
Q:日本コンテンツをどう見ていますか
A:「日本は海外展開に力を入れていないように見えます。そういう意味で強い番組がない。存在感は薄くなっているのではないでしょうか。文化ソフトにはただのビジネス以上の意味があって、力を入れるのと入れないのとでは大きな違いがあると思いますよ」
プロフィール:張 焕琦(ちょう・かんき)、 北京出身。CCTVプロデューサーなどを経て、在日中国人などに向けてCCTVなどの中国番組を放送するCSチャンネル「CCTV大富」副社長。