異常なほどの猛暑が続く8月6日午後、2015年度ウシオ奨学生に選ばれた30名が、ウシオ電機株式会社本社で開催された合格授与式に臨んだ。このうち、大富の推薦を経て晴れてウシオ奨学生に選ばれた中国人留学生は6名。ウシオ財団理事長牛尾治朗氏はじめ財団幹部、ウシオ電機株式会社幹部の見守る中、奨学生たちは新しい生活への希望を胸に、新たなる旅立ちを誓いあった。
本年度も一次、二次、三次におよぶ厳正な審査を経て、大富からウシオ財団へ推薦された候補者は8名。このうち、最終的に2015年度ウシオ奨学生として採用された中国人留学生は、胡蘇紅(名古屋大学修士1年)、王韡(名古屋大学博士2年)、金鑫(東北大学博士1年)、栄苗苗(大阪大学博士1年)、馮超鴻(早稲田大学博士1年)、呉偉(名古屋大学博士2年)の6名。
同財団理事長でありウシオ電機株式会社代表取締役会長牛尾治朗氏、同社代表取締役社長浜島健爾氏、財団常務理事多木正氏など財団幹部、株式会社大富代表取締役社長張麗玲らの見守る中、30名の新奨学生を迎えて東京大手町のウシオ電機株式会社本社で開催された合格授与式は熱気に包まれていた。
式典の冒頭、牛尾理事長より「世界で活躍できる人材となるには、ぜひとも英語以外の第三外国語の習得に励んでほしい。ウシオ奨学金に返済義務はないが、将来的には自らが学んだものを十分に活かし、国へそして社会へ“返済”してほしい。特に中国人留学生なら、祖国への貢献のみならず、日本と中国の親善のために貢献してほしい。それこそ我々が求める、真の意味での“返済”となる。」と激励。引き続き一人一人へ合格証書が手渡され、出席者は新奨学生としての喜びをかみしめた。
式典に続き開催された懇親会では、まずウシオ電機浜島健爾社長より同社および財団についての紹介があり、新奨学生へ温かな激励の言葉がかけられた。続いて挨拶に立った大富社長張麗玲は、自身の留学生活を振り返りつつ、多くの応募者の中から、栄えあるウシオ奨学生として選ばれたことの重みをしっかり受けとめ、日中で大いに活躍できる、かけがえのない大切な存在となってほしい、と励ましの言葉を述べた。
ウシオ財団の依頼を受け、大富が中国人留学生の選考窓口業務を開始したのは、2002年。牛尾会長が、張麗玲企画制作のドキュメンタリー「私の太陽」に感動し、苦学生の多い中国人留学生にも奨学金応募の門戸を開いたのがきっかけだった。今年度採用の6名を含め、これまでに大富の選考を経てウシオ奨学生に選ばれた中国人留学生は計66名。現在は10名(大富経由の奨学生、2015年度生含む)の中国人留学生が、月々12万円(年間144万円)のウシオ奨学金の恩恵の下、日々勉学に励んでいる。