穏やかな春晴れとなった3月17日、ウシオ財団の奨学生も旅立ちの季節を迎えました。今年度の卒業生は日本人奨学生含め全45名―うち3名は大富の推薦を経て奨学生となった中国人留学生です。
2024年度ウシオ奨学生の「卒業生を送る会」会場には、約60名の卒業生、在校生がともに集い、新たな門出を祝いました。今年の中国人卒業生(大富推薦)は、張瀚元(東京大学)、張德陽(神戸大学)、李曼彦(名古屋大学)の3名です。
式典の冒頭、挨拶に立った公益財団法人ウシオ財団理事長・牛尾志朗氏は、「皆様が一生懸命勉強した成果を社会に貢献していくことがウシオ奨学金の返済となる。留学生の皆様は母国と日本の信頼の懸け橋になって頂き、両国の友好に努めて頂けるよう望んでいる。皆様、今後も向上心と好奇心を持って活躍してほしい。出会いやご縁を大切に各方面での更なるご活躍を祈念しております」と卒業する奨学生らを激励しました。続いて、ウシオ電機株式会社代表取締役社長・朝日崇文氏も祝辞の中で「ウシオ財団の目的は奨学金の支給を通じて、次代の世界を担う人材の育成に寄与すること並びに諸外国との交流と相互理解を深めていくことです。これまでのウシオ財団奨学生OB・OGのように、卒業生の皆様も各方面でご活躍されることを祈念いたします。」という旨を述べました。
その後、卒業生はそれぞれ財団への感謝の気持ちや、今後の進路や抱負などを短いスピーチの中で述べました。
式典終了後に開かれた懇親会では、国立高等専門学校機構・理事の梶山正司氏が乾杯の挨拶で「ウシオ財団の学生への支援について感謝を述べるとともに、卒業生が社会に出て活躍していく中で、学生時代とは違い、“タイパ”を求められることもあるだろうが、“良いタイパ”を進めて頂けるように。」と、卒業生への応援を込めたメッセージを述べました。
そして、打ち解けた雰囲気の中、財団関係者、卒業生、在校生がともに語り合い、談笑し、楽しいひと時を過ごしました。
ウシオ電機株式会社創立30周年を記念して、1994年に設立された公益財団法人ウシオ財団(旧称:ウシオ育英文化財団)は、長年にわたり優秀な日本人学生等へ奨学金を給付してきました。ウシオ財団設立者で、ウシオ電機株式会社創業者の牛尾治朗氏が、かつて大富社長張麗玲の企画・制作したドキュメンタリーシリーズの一つ、「私の太陽」をご覧になったことがきっかけで、募集枠が中国人留学生へも拡大され、中国人奨学生の選考業務(特別枠)が大富へ委託されることになったのは2002年のこと。それ以来現在に至るまでの十数年にわたり、既に総勢117名(2024年度含む)の中国人留学生が、大富の推薦を経たウシオ奨学生として、日本での充実した留学生活を送ってきました。
2025年度も3月下旬より、株式会社大富が選考窓口となり、中国人留学生を対象とした奨学生募集が始まります。今年度も厳正な審査を経て最終選考に残った留学生が財団へ推薦される予定で、ウシオ財団の最終選考で選ばれた奨学生には、正規の最短終業年限の終期まで、毎月12万円の奨学金が給付されます。